トライバック～無知の血を流すのはもうやめよう～　

２．国民国家のゆらぎ

福祉を国民のどの範囲まで与えるか？
ex. 日本国籍の海外在住の場合は？

①国家と国民

国民　　　　　　国家
Nation　　　　States

国民と国家が不一致な部分がある。


国家というのはあくまで組織
統治支配機構

主権・行政権・経済権力を持つ（通貨発行権など）


国民は共同文化財、歴史的政治的共同体験に基づく
政治的統一組織を持つ人々の集団

多民族が存在する欧州などでは、
国民が国家を作ったというより、国家にあわせて国民を形成して行く
側面が強い。

日本では明治時代に、藩に属する人々に対して廃藩置県を行い、
天皇を立てて国家形成をした。

という説がある。

～～以上、前回の復習～～

歴史的にみると、

国民国家：
国家にあわせて
国民が作られている
　　↑
国民の「擬制性」
国民であるとみなされている。

国民は「想像の共同体」とも言われる。





②国民の作られ方

ｅｘ．ワールドカップのドイツ代表とフランス代表の違い。。。

ドイツ
血統主義

フランス
出生地主義
→フランス的理念の共有

フィヒテ（独）
『ドイツ国民に告ぐ』においても、ドイツ国民は血統を重視したドイツ国民
先天的な属性で定義しようとした。

ルナー（仏）
国民とは常に国民投票で決まるという、
理念や権利で定義しようとした。


血統主義的な国民形成をしていたドイツは、
差別、排外が起こった　（出稼ぎトルコ人など）

一方、フランスでも問題が。

フランス国民であれば、理念の共有が図られているはず、
とういことで、同化が求められる。

ex.政教分離が徹底されているフランスの公的場所において、
公立学校でイスラム教徒の女子が着用するスカーフをめぐる問題が発生。

差別は問題視されるが、
普遍的／／特殊　→差別

同化はあまり問題視されない。

③普遍性と特殊性

特殊⇒普遍的　　　→同化

（学生時代、スキーで盛り上がる周囲の学生が理解できなかった）


E.サイード
『オリエンタリズム』平凡社

エスニック料理＝西欧的でない料理

からわかるように、
西欧的なものが普遍的であるという考えがある。

　西欧 　　　　　　 普遍的　
　↓↑　　　　　　　　　 ↓↑
オリエンタリズム　特殊的

概念的に、普遍性が生まれる背景には特殊が伴う
歴史的に西欧が東洋的なものを特殊と呼んだために今に至る。

普遍的／／特殊　→差別

特殊⇒普遍的　　　→同化
　　　　　　↓
同一性　／　差異

同一性の中で差異を守っていけるかが、国民国家にとっては重要。


ex1.　カナダでは一般的には英語を使っている。（同一性）が、ケベック州はフランス語
英語だけを公用語にしてしまうと、困ってしまう。（差異）
カナダはケベック州を公用語をフランス語にして、差異を守っている。
でも、ケベック州にも英語をしゃべるマイノリティーがいる。

ex2.　北アイルランド　アイルランド島はカトリックが多数でプロテスタント少数。
島でカトリックの同一性を進めたい→IRAのテロ行為

④価値をめぐる対立
なぜ、対立が起こってしまうのか。。。

以上、５月１８日の授業でした。

授業中、ミスチルの「掌」のこの部分が頭に流れてた～。

1つにならなくていいよ
認め合うことができればさ
もちろん投げやりじゃなくて
認め合うことができるから
1つにならなくていいよ
価値観も理念も宗教もさ
1つにならなくていいよ
認め合うことができるから
それで素晴しい

トライバック　ドラムス
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