トライバック～無知の血を流すのはもうやめよう～　

国民国家のゆらぎ

①国家と国民

②国民の作られ方

③同一性／差異

～～～～以上、前回まで～～～～

④価値をめぐる対立

経済的利害の対立であれば
「分配」という解決可能な手段がある

が、

価値をめぐる対立は、「好き」「嫌い」の話なので
分配できないため

和解・解決は困難

ex.　茨城にいたら巨人を応援しなくてはいけない。
　　　嫌いなモー娘。の曲を聴かされ続ける。
　　　言語の対立（カナダのフランス語圏）
　　　宗教（フランスでの公立学校でのイスラム教女性のスカーフ禁止）
　　　


国家的統合＝福祉国家の形成
により、経済的再分配により貧困を解決していく

が、ある程度豊かになると、
格差が生まれ、経済的富の再分配の方向性が決まってくると
自律性の承認を求めるようになる
→分離・独立の運動が生まれる

ex. イタリアの南北格差（北部同盟）
北部が南部を支援することが続いており、北部の人にとっては不満

⑤政治の多層化

国家の枠組みを超えて起こる
グローバリゼーション

・人の移動・流動性が増えて
国家内で完結しない問題が出てきた。
ex. 新型インフルエンザの流行
　　 国際結婚

経済･･･ギリシャの金融危機
政治･･･地球温暖化を一部の国だけでやっても意味が薄れる

第一層　グローバリゼーション

第二層　国家

第三層　地域、コミュニティ

ex. ワールドカップに出るイギリスの地域
イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド
個別の議会が機能し始めた。

グローバリゼーションによる政治的な多層化により、
国家の意味の希薄化が進み、その防御的反応として、
今日、ナショナリズムが強まっている。


　　国家
　　↑　　　　↓
　　国民
という構図だけを考えていては、解決しない問題が出てきている。


以上、国民国家のゆらぎとしての課題を挙げて、
その解決策に関しては、後日踏み込んでいく。

以降、国家だけではなく、社会のゆらぎについて言及していく

（１）福祉国家のゆらぎ

（２）国民国家のゆらぎ　　ここまで

（３）脱伝統社会


中高生は制服を着る
丸刈りにする
練習中は水を飲んではいけない


制服であれば、おしゃれに気をとられないようになるのか？
不良の制服も変化している。
丸刈りにすると、日射病になる。
練習中に水を飲まないとパフォーマンスが下がる。
これらは意味がないようであるが、


伝統は
人々の秩序維持、規律を守るという効果がある。

好きなときにばらばらで水を飲んでいたら、
チームとしての団結が薄れる。

合理的な意味を見いだせなくなり、
伝統を軽んじていく。

ex. 少子化の背景に、結婚しない人の増加が指摘されている。
なぜ結婚しなければいけないか？

経済的な貧困が生まれる。お金が自由に使えなくなる。
婚活をしてまで結婚する意味はあるのか？

結婚が伝統的規範としての役割を果たしている。

合理的に考えて、結婚しなくてはならない理由はない。
と考える人たちが増えてくる。
→少子化が進む

　伝統
　　↓
規範の精神的内面化
　　↓
（個人）行動を規定・規律化
（社会）秩序維持


しかし、伝統が無意味性・抑圧的性格が明らかになってくると。。

（ex. 結婚すると男性が女性を抑圧する傾向がある。）

脱伝統社会へとシフトしていく
伝統が担ってきた秩序形成をいかにやっていくかを考えなければいけない。

→政治の重要性が出てくる。

～～～来週はこの脱伝統社会を思想的な観点から考察していく～～～